■ D.C. 〜ダ・カーポ〜 (Win) Circus
注: ゲーム版です。
『アルキメデスのわすれもの』から『D.C.〜ダ・カーポ〜』のプレストーリー。先にやったほうがいいのアドバイスを忘れて本編を始めてしまい、本編終了でガッカリ状態だったのですっかり間が空いてしまいました。
で、噂に違わぬ出来で…これ見ると確かに本編期待するよナァ。はふ。先行発表とのこともあり本編ではすっかり忘れ去られているプチ設定を妙に繰り返し出してくるあたりは微妙ブラッシュアップ前という感じも受けますが、そのトンガリ具合いは逆に個性的にも見えなくもなく、あるいは、いかにもギャルゲっぽくて没個性的とも言えなくもなく。その意味ではまあいかにもなタイプでは、ある。
このプレストーリーは音夢寄りの設定で物語が進んでくれるおかげで、本編も確かに 音夢シナリオだけはとっても良かった (復活エンド以外) こともあり、この『D.C.〜ダ・カーポ〜』本編物語もそれほど悪くはなかったかな、いや、本編音夢シナリオはとっても良かったなと少し思い出してみたりして。
バラエティに富んでいた、と書けば聞こえは良いのですが質の高低落差が激しくて。音夢とさくら、ついでにことりを使ってひとつの桜の物語を組み上げていた。その作りはよしとして、しかし他のシナリオに核が無かった。確かに美春や頼子のシナリオは単品として楽しかったのですが、連作短篇集の中に共通テーマの無い物が入っていても全体評価には結び付きませんから。『D.C.〜ダ・カーポ〜』を評価するタネにはなりえません。
そもそもいわゆる美少女ノベルゲームは多数のヒロインが登場する単なるハーレムもの作品でしかないとは言え、ある程度は共通テーマのようなものを求めたいものであり、作品ジャンルとしては連作短篇集に近いものとして接したいという気持ちがあります。パロディ作品等では全員を相手にしまくる浮気者な主人公像がメジャーですけれども、物語世界の中では必ずしもそうではない。その点において『D.C.〜ダ・カーポ〜』は纏まりが殆んど無い、統率の取れていない好き勝手に作られた作品の集合体に見えてしまう。あまりにも勿体無い! 音夢さくら + ことり、おまけシナリオに美春。それでもう十分な作品でした。
そう、このプレストーリーの登場人物だけで物語を作ればどれほど纏まりの良いものになったことか。美春も名前だけはきちんと登場していましたから。蛇の足はすべてを堕落させてしまうもの。もし今が数千年前であったら、慣用句「蛇足」は「だかぽ」になっていたかもしれない。そう言いたいくらい好きになりたい作品なのに、どーしてもあの駄シナリオの所為で素直に褒められません。あああああ、怒りがまたふつふつと…。忘れよう、本作のコトはもう忘れよう。音夢シナリオ良かったな〜とだけ覚えておけば十分ですよもう。
はう。
注: ゲーム版です。
■ 総評
とにかく最強の声優ゲーム。特に鳥居花音、北都南、日向裕羅、春野日和の 4 人の熱演は素晴しいものがあります。ここらへんでピピッときたら手を出してもいいかも。ていうか私がそうだったわけですが。その点では大満足♪
しかし物語に目を向けると少し厳しい。言ってみれば「プロットだけは傑作級の凡作」。声優狙いで遊び始めたら意外にも物語自体もいい感じで進んでいるではないか〜、と最初の音夢編の終盤までで思ってしまったからさあ大変、それ以後はもうガッカリに次ぐガッカリ。参りました。さぞやアニメ版スタッフの腕が鳴っていることでしょう、このテーマは面白くできますよ。原作ゲームなんて忘れて、じっくり独自に煮込んだアニメを作って欲しいな。
■ 総評 - キャラクタ
とりあえず声優さん素晴しいということで。それで全てなんだよなあ。
■ 総評 - シナリオ
シナリオで語るべきゲームではないのですがあまりにも惜しいと思えたのでちょっとだけ言及。
音夢死亡エンドは素晴しかった。最初に到達したのがこの結末であったため、必要十分に語られた世界の謎と音夢と主人公の心情物語として実に丁寧に描かれていたことが後への期待の膨らみと評価の下落に手を貸したことになるわけで。これ 1 本だけで本作が終わっていたら秀作認定しても良いくらい。ここに物語の裏を司る物語として、さくら編があります。
さくら編は単体では特に最後にさくらと結ばれる流れがあまりにも不自然のため評価は低くなってしまいますが、音夢(死亡)編を補う目的で読むとこれが意外にも良い効果を上げている。謎解きシナリオと見ると音夢死亡エンドを彩る物語となっていました。さくらとの結末は不要。
ただし、音夢復活エンドは全く駄目。これは D.C. シナリオと同様、蛇足でしかありません。この物語はどこをどう取っても復活の可能性のあり得ないものになっていました。単なるプレイヤーへのサービスだとしたら尚更本作の評価が下がるのみ、自分が受け入れられるような作品ではない。
美春編は全体物語の構成の妙が光りました。偽美春と本物美春が最後まで異なるものとして描いていた、この潔い切り方が上手です。音夢シナリオでもあんな変な復活エンドを付けてしまおうという最悪な考えを持つような人のいる組織でよくぞこのエンディングをそのままにしてくれましたと感謝したいくらい。
ことり編は間違いなく声とキャラクタの勝利。桜の願いと合わせて、ことり本人が素直に物語に絡めていました。萌編や眞子編みたいなスキが少なくシナリオの流れにも破綻が少ない、突拍子もない起伏を入れることなくドラマをきちんと作っていた、そのバランス感覚に拍手。
頼子編はネコ耳メイド属性が薄いので叫びプレイはできませんでしたが、ことり編と似た雰囲気で全体を纏めていたのでこれまた普通に良かった。もしネコ耳メイド属性があったら更にワンランクアップしていたことでしょう。
全体的に、もっと面白くできた筈なのに、という無念さを感じる物語でした。
注: ゲーム版です。
■ 眞子シナリオ
そこでケツを出すかフツー!?
…とまあ大苦笑してしまったわけですが、普通に惜しい物語ではありませんか。おいしいイベントを拾えそうなシーンをいくつも取りこぼしながらも淡々と、しかし一応は狙いどおりに物語が進んでいて言われるほど悪くはありません。とにかくあの唐突なえちシーンが全てを台無しにしているので、寧ろこれはえちシーン無しの純愛ストーリーでのおまけシナリオにする程度なら誰も文句は言わなかったことでしょう。なまじあのえちテキストになっていないえちテキスト付きえちシーンがあるからころ、変なわけですから。本編ストーリー? おまけはそんなの知らなくて構わないのです。寧ろ変に本編ストーリーに絡めようとした萌先輩シナリオがいかにへっぽこに終わったかを考えると、この眞子シナリオはまだ破綻は少ない。普通に悪くない物語でした。
注: ゲーム版です。
■ 頼子シナリオ
あー、くそぅ、どうして自分はおどおど系ネコ耳メイド属性を持っていないのだ。どうにもおどおどびくびく少女はあまり得意としていないので叫ぶものを持てないのは頼子シナリオを楽しむ上でものすごーく損をしていること、よ〜〜〜っく分かります。私も叫びたかったヨ、ネコ耳メイド萌え〜! って。
とにかく本編が終わってからのほうが面白いというのはどういう意図によるものかと私は声を大にして言いたい。確かにこの美春シナリオや頼子シナリオを最初から遊ぶのはとても抵抗がある、もし最初にこのシナリオに入ったら意味不明極まりないことも分かる、しかし! ここに至るまでの本編の面白さと今ここで美春シナリオと頼子シナリオを読んだ面白さでは明らかに雲泥の差がある。
アマチュアオーケストラの演奏会で妙にアンコールがノリノリで楽しめるのというコトあるでしょう。熱心に練習してきた成果を本番プログラムに沿って演奏し、お世辞混じりではあれども拍手喝采で演奏者も力を出し切って大満足、身も心も軽くなったところで演奏されるアンコール曲といったら、これもまたアマオケコンサート巡りのひとつの楽しみと言える程に魅力溢れるいい演奏を披露してくれるんですヨ。
まさにそれ状態。
本編が終わってからが妙に楽しゅうて楽しゅうて。これで本編が心底面白かったらもう全体的にオマケまで十分楽しめて大満足♪ と言いたいくらいにオマケシナリオが軽妙に描かれているというのに、なんで本編があんなに冗長で間延びした蛇足ばかりの物語になってしまったのでしょう。それだけ描いてやらないと理解できない子が増えたため? むー、作品そのものに作品を汚す要素を敢えて入れるコトないじゃない。ものすごーく勿体無い。声優萌えゲームとしてハイレベルなものを持っているのだから、このプロットを用いるのならシナリオで語り過ぎず上手に深い物語を描けていたら最高傑作級まで行けたかもしれないのに。
さて、残るは眞子シナリオのみ。これまたどうも評判悪いみたいなのよね、さて、どうなるか。
注: ゲーム版です。
■ 中間評価報告
最高に素晴しい声優ゲーム。美少女ゲーム界の中でもこっち系のヒロイン格の声優さん勢揃い状態は伊達ではありませんでした。この豪華キャストを見て聞いて感涙に咽ぶのが正しい遊び方。今そう決めた。
日向裕羅ファンには本作を遊べば更に好きになれること間違いなしなくらいオススメ。わたくし『とらいあんぐるハート 2』のオリジナル主題歌でのけぞって以来の俄か日向裕羅ファンではありますが、これはほんとマヂすごい。まさに白河ことりは日向裕羅のためのキャラクタです。とにかく日向裕羅ファンは絶対に遊ぶ価値があると私は強く言いたい。鳥居花音ファンには 90% くらいオススメ。北都南ファンには 80% くらいで、春野日和ファンには 70% オススメ。夏野向日葵ファンには… 30% 程度かな? 声優さんの魅力を完全に消し去る最低のシナリオに文句を言いましょう。
■ 美春シナリオ
おー。これはよいではないですか。正直言うとおもいっきり不安ではあったわけですが、微妙に「はわわ」とか「うぐぅ」とか「あうぅ」とか思い出すシーンがあれども美春の物語に綺麗に組み込まれていますヨ、これはオマージュ作品と見ても素敵な物語になっています。
なによりも美春のキャラクタがイイ! 春野日和声がこんなに良いと思ったのは初めてかもしれない。今迄のいくつものヒロイン達のシナリオにインパクトのあるけたたましいシーンばかりで印象に残っていたこの美春というキャラクタが、このシナリオの美春を一層生き生きとさせています。なんといっても私は「美春」を既に十分知っているんですから。
プレイヤーは主人公と同じくらい「美春」を知っている。この美春シナリオで語られた今迄全く出てきていなかった主人公と美春との過去が何の説明もなく次々と登場したのは多少面喰らいましたが、それはあくまでも設定上の記号なんです。シナリオ上での「美春」と主人公の思い出の設定は知ったことではありませんが、「美春」がどんな子なのか、今迄のいくつものヒロインとのシナリオの上でプレイヤーの自分は既に知っているんです。これがプレイヤーと美春の「思い出」なんです。それを美春シナリオの上では主人公と「美春」の思い出として投影して上手にプレイヤーを誘導するよう取り込んでくれました。うむ。うまい。
その上でこの美春シナリオを読む。これまで他のシナリオが単体ではなかなか評価に値しないものばかりであったとはいえ、悔しいが計らずも美春シナリオに向けての事前の準備がとんでもなく念入りにされていたのでした。
確かにプレイ順序固定は美春シナリオには絶対に必要なものでした。そして可哀想なことに美春シナリオに到達するまでにものすごーくツマラナいモノを経なければならなかった。これではこの美春シナリオへの流れに感心することなく途中で投げてしまう人も出てしまったのではなかろうか。
そして安直なハッピーエンドになっていないところがまたとんでもなくイイ! この余韻を残す結末は本作シナリオの中では一番綺麗に締めていると言って良い。もういちど美春との思い出を作るのか、あの美春との思い出を大事にしまっておくのか、それを読者に委ねての最後の美春の笑顔がとっても眩しい。あくまでも美春シナリオの美春と本編の美春は別の存在であることを最後の最後まで貫いてくれた。美春シナリオの美春を本編の美春自身は全く持っていない。この二者の分離を取り入れた点をとにかく褒めたい。
他のシナリオに比べると遥かにマトモに纏まっているのは間違いない。本編とは全然無関係な物語だけどサ。
評価復帰。良作認定。ほんとシナリオ毎の起伏が激しい作品だよ。
■ ただいまの声のお気に入り度
ことりは日向裕羅の萌え声パワーが大炸裂。日向裕羅のうまへた声と、ことりシナリオにおけるうまへた文体のゆれが実に見事にマッチして微妙の相乗効果でトンでもない萌えパワーを発揮してくれています。音夢はナンと言っても当代随一のヒロイン声担当鳥居花音の熱演が素晴しい。シリアスシーンの切々とした語りから脇役に回った時のダーク音夢のコミカル怒りシーンまで抜かりはありません。美春とさくらは同着で。今迄は春野日和より北都南が好みであったのにこの美春シナリオでのテンション高めの春野日和声は結構好みであることが発覚。眞子と萌はあまり出番が無いのでまあ仕方ないというところで。
■ ただいまのシナリオのお気に入り度
美春は攻略順序縛りのおかげで美春シナリオに入る前からキャラクタを掴めていられるシステム構成の勝利。ことりはキャラクタと声優の勝利、でも少し展開が弱いので次点。音夢は全体的には良かったけれどもラストの復帰で呆れたので低目。それまで丁寧に展開されていた物語を鼻で笑うような結末を置けるその姿勢が気に入らない。さくらは単なる音夢の蛇足解説だったので単品として無意味、解説として邪魔、なので殆んど評価できず。さくら編と D.C. 編による謎解きは本作には全くの不要、余計なお節介。このあたり見ていると真剣に幻想物語を作る気が無いようで気分が悪い。萌編はもういい。忘れた。
注: ゲーム版です。
■ 萌シナリオ
ん〜〜〜、微妙。ライターさんはメイドが好きだったんだろうなーとか、なんか本作ってこう面白さにちょっとばかし欠けるシナリオには妙に様々な他社の有名作品の微妙な引用が散見されて、どことなく良くできたファン作品的な雰囲気を感じてしまいます。そもそもキャラ造型やらシナリオやらが定番どおりの本作の中でも更に定番極まりない萌シナリオにて声萌えが起こらないことにはどうにもこうにも。美少女ゲームの経験が少なかったら楽しめたかもしれません。序盤や中盤の起伏が無いのは今迄どおりにしても、特に終盤展開があまりにもよろしくない…。なんだか私にとってはものすごーく面白さの差が激しく感じられます本作の各シナリオって。
■ D.C.
蛇足。まさにその言葉どおりどんなに素晴しい竜であれ足を描き加えただけで蛇にも劣る駄画になるのとおり。最悪。なんだこりゃ。心底情けなくなりましたよ。暫定駄作認定。意外性のカケラもない予想以下の話を今更さも勿体ぶって語られたところで「はぁ!?」呆れるしかない。ナメとんのか。
■ 美春シナリオ
音夢「兄さん、いつからそんなに美春にご執心になられたの?」
音夢とさくらのシナリオを終えたあたりからです。というわけでやっと! ようやく! 美春シナリオに入れました。そして少し進めてみたところ、いきなり入れ替わりました。苦笑。やはり何と言っても最大のポイントは ハイテンション春野日和萌え というわけで美春のハイテンション声がめちゃめちゃいい感じ♪ 続きは明日以後にでも。
注: ゲーム版です。
なんだかんだと文句を言いつつも見限らずに毎日やっている程度には楽しいわけです。さくら編で明らかにされた、メイドロボ製作を夢見るキャラ萌えエロオヤジをパパに持ち、健やかにパパの思惑どおりに育ってくれたけたたましい後輩、天枷美春@春野日和を狙って始めようと思ったらこの子はメインヒロイン 4 人を終えてからでないと相手をできないとですか!? がーん。
■ ことりシナリオ
というわけで美春シナリオを見るためのノルマ達成のためにことりシナリオを選択、無事に終了しました〜。なんとなんと、意外にもめちゃめちゃ楽しめました! 日向裕羅属性もあいまって今迄の 3 人の中ではダントツ 1 番。ほんわかほのぼのラブラブ全開ストーリー♪ とっても良かったよ〜!! 学園ヒロインらしからぬ言動がまた日向裕羅さん御本人のボケもあわさって、ものすごーーーくいい雰囲気を出してるじゃないのさ。
日向裕羅・ザ・ベスト!!
メガネっ娘万歳。← いや別にメガネっ娘属性があるわけではないんだが。笑。
この島の「ひとつの願い」の扱いもまた綺麗にしっかりと纏めてくれました。なんだか音夢やさくらのシナリオとは全然違うけれども、こんなストレートなラブラブシナリオは私は好きだ! 大好きだ!! あっさりとさくらと音夢が御退場してしまうのは御愛嬌。2 人とも言っていたとおり、さくらでさえなければいい、音夢ちゃんだけはダメ、それがそのまま表れた少し切なくしかし幸せな結末には少ししんみりとしちゃいましたよもう。
ことりシナリオに分岐してからというもの、いつ音夢やさくらみたいな妙に深刻な話になって幻滅させられてしまうのではないかと不安いっぱいドキドキしながら読み進めていましたよ。桜が散ってことりの態度が変わった時、心底ホッとしました。ああ、こっちに行きたかったんだな、って。そして期待どおりのハッピーエンド。
よっしゃー!!!
ウン、大満足♪ 漸く素直にキャラ萌えできましたわ。苦笑。さて次は謎の夢遊木琴娘の萌先輩ですな。はやいとこクリアして春野日和声を堪能したいナ。
よくできました♪
注: ゲーム版です。
■ さくらシナリオ
さくら「にいや〜」 ← アニメ版でやってくれたら神!
正体見たり。つまりこの『D.C.』はテキストと小イベントがへっぽこなわけだ。対して全体プロットはなかなか良い、いや、結構良い、どころでもなく、わたし的にはものすごーくツボな物語世界を作ってくれやがっていましたのですことよ。
まるで夢のような物語、という最初の印象がまったくそのままこの物語世界を形作っていたと。「夢」という言葉を「寝る時に見るもの」「将来の願望」の両方でうまく使い分けているおかげで 2 種類の物語を絡めた全体シナリオを用意してくれていました。さくら編とはいえ物語的には裏音夢シナリオと言ってもいい。
願いの集まる島。これは綺麗だ。誰かひとりのための世界だとは言え、音夢の願いも叶っており、さくらの願いも叶っており、願いを叶える力はこの島民全員に分け隔てなく降りそそがれていると見ても良いのでしょう。ひとりの願いはその人自身の願いを叶える力を持っていなくても、みんなの願いが集まって、その中の誰かの願いが別の人の願いを叶える力を持っていたら。夢は無条件で叶うものではないけれど、みんなの夢が集まった時には誰かの夢を叶えることができるようになる。夢のシャッフル。夢の運命共同体。そしてこの物語世界では枯れない桜がその象徴として描かれている、仮例これが誰かひとりの夢であったとしても。
ごくごくささやかな願い、大好きな人のことを全部知りたい、大好きな人と心が通じたい、その願いが叶ってしまう物語世界の上での悲劇の物語であった音夢シナリオが、更に 1 段階高い次元に持ち上がりました。
音夢シナリオの再読の必要アリ。この超面倒臭いシステムを何とか我慢して読み返さなければ…。
さくらシナリオは全体プロット説明として音夢シナリオを綺麗に補っていましたが、単体シナリオと思うと並べられた小イベント群にちぐはぐな印象を覚えてしまいます。さくらの願いが強く叶えられている、を示すのにあの単なる噂や音夢の回想で済ませてしまうのは安直に過ぎないか。結局のところ主人公 = プレイヤーは「ふーん、あっそう。(c)広瀬のぞみ」になってしまうだけじゃん。どうにかして主人公をその現場に遭遇させるとか、夢世界を繋いで伏線を置いておくとか、何か別の手段があったのではないかなあ。枯れない桜が伏線だ、とはちょっと言い難い。
んで、さくらシナリオでの最重要項目は何と言っても「北都南サイコー!!」というわけで。微妙な舌っ足らずなロリヴォイスで 「兄チャマ?」「チェキ?」「にいや〜」 とか。マヂ吹き出しました。大爆笑!! 私はこれを聞くために本作を遊んでいたのだとかなんとかもう 超・大・満・足!!! さくらシナリオでも相変わらず音夢は登場時間も長かったことですし、鳥居花音と北都南を堪能しまくれる超傑作ゲームではないかと今ここに認定したりするのであります。笑。
※ 今日は時間が取れなくて推敲無しの書きなぐりバージョンで。
注: ゲーム版です。
この超面倒臭いシステムが心底欝陶しくてしょうがない。何かをしたかったのは分かりますが、なんでセーブの度に 7 クリックも必要なんだよと。コンシューマの『ゆめりあ』だって 5 ストロークなんだぞ、マウスカーソルを移動させる必要がある分も入れると『D.C.』では 11 ストローク。これほどまでに欝陶しいセーブ方法なんて久しぶりさ、しかもセーブを必要とする頻度は遥かに『D.C.』のほうが多いというのに。『とらハ 3』の自動履歴セーブ機能を見習ってくれぇ。あらすじ機能も「はい/いいえ」を選ぶ必要があるので全然時間短縮になってないよ。
■ 音夢シナリオの蛇足エンド
…とか文句を言いつつも音夢シナリオを補完。グラフィックモードで最後の 2 枚が伏せられていたのでもしやと思い徹底的に音夢寄りで進めたら結末が変わって……お、おまえ何故そこにいる!? 昨日迎えた手紙を読んで終わりの結末のほうが余韻があって良かったのに、結局こうなっちゃうんだな…。個人的には消えてなくなるのほうが好き。『それ散る』は戻ってくるようシナリオが作られていた、戻って来ないと話が成立しない物語だったのですが、本作は戻ってくるほうが不自然。なんていうかな、あの『加奈』の独り暮らし引っ越しエンドが許せないのと似たような気分。 ← おまえ何故そこにいる!? しかもまだ CG の最後の 1 枚が残ってるし…。
もっと美少女ゲーム歴が短かければ楽しめたかもしれません。この作品全体から「いまさら感」を覚えてしまうんですよ、『マブラヴ』のように正の方向に突き抜けた超王道とは違い、正の方向 +1 の位置に御行儀良く座っているような印象。弱い。
注: ゲーム版です。
いまいちモチベーションが上がらずにおもいっきり積みゲーしていましたが、アニメ版の声優陣にイメージを邪魔されないうちに楽しむために始めるコトにしました。というわけで改めてキャスト確認。本当ゲーム版もアニメ版もパーフェクトな声優作品です、ターゲットは間違いなく声萌えゲーマー・声萌えアニメファンですな。
| 役名 | 声優 | (アニメ版) |
| 朝倉 音夢 | 鳥居 花音 | (野川 さくら) |
| 白河 ことり | 日向 裕羅 | (堀江 由衣) |
| 芳乃 さくら | 北都 南 | (田村ゆかり) |
| 天枷 美春 | 春野 日和 | (神田 朱未) |
| 水越 萌 | 夏野 向日葵 | (伊月 ゆい) |
| 水越 眞子 | 長崎 みなみ | (松岡 由貴) |
| 鷺澤 頼子 | 草柳 順子 | (松来 未祐) |
DVD-ROM ディスクをドライブに入れてインストールしてパッチもあてて、ディスクを取り出してゲームスタート…しようと思ったらディスク要求が。DVD-ROM 版だとディスクをわざわざ入れなくても遊べて便利♪ とか思っていたのに、ダメなソフトもあるのね…。
■ 音夢シナリオ
でもって音夢シナリオ、多分エンディングに到達。
最後に手紙貰って枯れた桜の木の下で読みました。うん、音夢シナリオ本編自体はなかなか良かった。ひとつの島の上の夢物語、と言ってしまうとそのとおりなんですが、心が繋がっての流れから赤い桜の花びらへの繋がりとか、ちょっといいなって思った。「に…お兄ちゃん」なんて言い直しからの終盤展開も結構好み。終盤近くでは例の如く、変な謎解きなんて入れてくれるなよ、安直ハッピーエンドはやめてくれよ、と願うような気持ちで進めてしまいましたよ。その願いも叶えられたので、満足。
最終的に殆んど全く物語世界の謎解きが無かったわけですが、これは逆に良い効果を上げていたと褒めたい。変に理由を作って呆れてしまうよりはこのような不思議な世界の上での幻想譚であると見た上での音夢との最後の交流の物語だと思うとなかなかに綺麗な物語として終わっていました。特に物語冒頭で当然のように主人公が饅頭を取り出したのは良かった。あ、これってそういう物語なんだ。主人公はプレイヤーの知らない現実味のないことを平気でやってのけるような、そんな世界の物語なんだな、って心構えができた。以後それぞれ登場するキャラクタ達もまた少し尖った特異な部分を持っているのはインパクトを与えると共にこの世界を表そうとしているんだろうな、なんてちょと思た。しかしそのインパクトも『それは舞い散る桜のように…』に負けているようにも思えるけれども〜。何となくヒロイン達が『それ散る』コンパチみたいに見えます。非現実的な日常生活物語としては『それ散る』に一歩及ばず、キャラ萌え度も『それ散る』に一歩及ばず、そう思うと物語の締め方も音夢は希望に一歩及ばず……。う、うーむ…。
もうひと捻りくらいは欲しかったかな。物語として順当に順番に話を持っていかれたので展開が軽く思えて。序盤の共通ルートと中盤以後の個別ルートのギャップが激しい、というか前半の共通ルートがあまり後半に絡んでいないように見えるのも間延びした印象があるかなあ。あからさまに個別ルート選択のための共通ルートのように見えてしまいます。なんて、ちょっと今日は評価が辛目デスが。数年前なら秀作。 ← こんなんばっか
「声」は めちゃめちゃ良かった! 想像以上! 期待以上! 鳥居花音が「兄さん」とか「お兄ちゃん」とか連呼しながら甘え声を発するのは主人公と同じく耳から何かが垂れて来るくらいに素晴しい。でも表とか裏とか文章では書き分けている割にはキャラクタが違わなかったので声のバリエーション的に勿体無いトコロはあったかも。にしても鳥居花音の激甘声を堪能させてもらったので満足。この鳥居花音声がアニメ版では野川さくら声になるんだなあ…。声の傾向は少女声でも少年声でも似ているとは以前から思っていましたが、同じ役で聞き比べられるのは私にとっては初めてなので楽しみ。まあ、鳥居花音声が最強なのは個人的には絶対に揺るぎないものですけれどね! 音夢に絡んでの北都南は天真爛漫声にマジ声も加わってこれまたお見事、音夢シナリオでは鳥居花音と北都南の声をたくさん聞けたというのも評価ポイント。日向裕羅が歌の上手い子の役を演じているところで微妙に苦笑してしまいましたが、相変わらず可愛い声で。夏野向日葵声と長崎みなみ声は殆んどまだ聞いてません、1 回だけ屋上で鍋をつついた程度。そのへんは、まだまだこれから。
微妙にイマイチ感が漂っていますが、自分の体調の所為もあるかな。