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2008年07月19日

『奏光のストレイン』 [一覧]

13. ラスト・ワルツ [単体リンク]

これまた最近の AT-X で再放送していたので試しに見始めてみたら、徐々に面白くなってきて中盤あたりからは毎日楽しみに見るようになった作品。最終的には、とても私好みな物語となってくれて、お気に入り作品のひとつと言ってよい程に大絶賛モード。久々にシッカリ見た作品が素敵な SF ストーリーだったことあけでも大満足。

この物語は、ひとつの大技、バクスターゲートで綺麗な輪を作っていると言えましょう。

エミリー達は、視覚、聴覚、感情を共有したうえでバクスターゲートで空間を繋げられていて、しかし、時間感覚は人間と同じであるという点が面白い。捕まったエミリー達が助けを求めたのが亜光速航行に入った後であることと、亜光速航行中は時計が複数存在するという点から、あの、助けに来たエミリー達がいったい絶対時間のいつから来てもおかしくないことになるわけです。

亜光速航行に入るまでは助けに来ず、また、いまこの物語の主観時間にも二人のエミリーを助けに来ることのないことから、するとこのエミリー達は今この時には二人だけであり、捕虜となった時点でも捕まった彼女達がその時間世界でのエミリー達のすべてだというコトができて。

もし、あの亜光速戦闘を仕掛けてきたエミリー達が過去のエミリー達であったとすると、主観時間で亜光速戦闘中のエミリー達を除いた待機組のエミリー達は「今」までの間に絶滅したこととなってしまいます。現存するエミリーは、少女のエミリーと人形のエミリーの二人だけとなるのですが、それはとても悲しい。セーラもひとりぼっち、エミリーもひとりぼっち。ちょっと哀しいのですが、これもまた綺麗な締めだと感じます。

逆に、未来のエミリー達が亜光速戦闘を挑んできたとすると、こちらは雰囲気がらりと変わり、綺麗なループを描くことができるように思えてきて。今はエミリー達は二人しかいないけれど、彼女達から彼女達が増えてゆき未来にはある程度の彼女達が生きる時点が発生し、その時にふと過去の原点に意識が行ったところで亜光速移動中の過去の同胞と繋がり助けに行くという流れを想像してみましょう。生きたエミリーから増えた彼女達と考えると今と未来の間でループする彼女達の輪が見え、人形のエミリーから増えた彼女達と考えると過去のエミリー達のうち人形として残ったエミリーが今を通って未来から過去に戻り今の人形のエミリーに生きた姿で会いに来て、そこから未来へ繋いでゆく、閉じないループを見ることもできて。

ここは両方を想像してエミリー達に想いを馳せてみるのが一興なのではないかしら。そんな、ちょっとした時間の流れに夢を見たくなるような。そんな素敵な SF 作品。それがこの『奏光のストレイン』の魅力のひとつなのだと思えます。

ウン、素敵な作品でした。

さりげない設定でちょっと笑ったのが、あの、ストレインの速度体感システムとでも言ってよさそうな仕掛け。

亜光速に近いほどの速度を出すと、ある程度の空気の流れをコクピット内に発生させるという、あれ。高速戦闘中に髪がなびいていると、確かに速く移動している感じがする、見ているほうもそうなのですもの、確かに中に乗っているパイロット達にとっても、空気が流れてくれたほうが機体の挙動を肌で感じられて良いのでしょう、きっと。

このへん、本作の大技を大技たるものにしている要素のひとつ、なのかもしれません。

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